【米国特許出願】IDSを提出すべきか否かの基準(materiality)の変更の可能性について
米国特許商標庁(USPTO)は、2016年10月28日発行のFederal Registerにおいて、出願人の情報開示義務の履行を減らすために規則の改正を考えている旨公表しました。
米国特許出願では、出願人は、特許性に関する重要な情報(information material to patentability)について、情報開示義務を有します。この情報開示義務を履行するためには、情報開示陳述書(Information Disclosure Statement: IDS)をUSPTOに提出しなければなりません。
情報開示義務の基準となるmaterialityは、従来、“prima facie case of unpatentability”(とりあえずは特許性が認められないであろう)というものでした。しかし、今回公表された改正案では、“but-for patentability”(この情報が提出されていたとすれば拒絶されていた)に変更されています。
仮にこの基準に変更されると、IDSの提出回数を減らすことができます。例えば、米国の関連出願や他国の対応出願で新たに拒絶理由通知が発行された場合、従来は、拒絶理由通知で言及されている先行技術文献について既にIDS提出済であっても、拒絶理由通知自体をIDS提出しておりました。しかし、改正後は、拒絶理由通知のみをIDS提出する必要はなくなります。
規則の改正について、更なる情報を得ましたらお知らせします。
(情報発信源:米国Banner & Witcoff 事務所)