【米国特許出願】ターミナルディスクレーマー(Terminal Disclaimer)の話

 米国特許出願の審査において、非法定型二重特許(nonstatutory-type double patenting)の一つである自明型重複特許(obviousness type double patent)の拒絶を受けることがあります。これは、審査されているクレームの内容が、同一の出願人による出願のうち、特許された(又は特許となりそうな)クレームの内容を考慮した場合、同一ではないが自明であり(not patentably distinct)、当該出願を特許すれば実質的に同一人に類似した特許を二つ与えることとなり(double patenting)、第三者を不当に害することになる、という衡平法の観点から導き出された拒絶です。自明型重複特許の拒絶は、特許法上の新規性、進歩性、ダブルパテントなどに基づく法定拒絶理由によっては、拒絶ができない場合に用いられる拒絶理由です。

 ご承知の通り、自明型重複特許の拒絶は、ターミナルディスクレーマー(Terminal Disclaimer)を提出することにより解消することができます。ターミナルディスクレーマーの提出によって、
① 当該特許の存続期間満了日を関連特許の存続期間の満了日に合わせること
② 関連特許と分離して特許権を第三者へ移転しないこと
の制約が生まれます。

 ここで、ターミナルディスクレーマーを提出した側の特許が先願であり、関連特許が後願である場合には、関連特許の存続期間の満了日が、先願特許の満了日に合わせられてしまうのでしょうか?

 答えは否です。この場合、関連特許では審査過程で先願を前提にしたターミナルディスクレーマーを提出しておりませんので、関連特許の存続期間は守られます。しかしながら、先願特許の存続期間の満了日を、関連特許の存続期間の満了日まで延長することはできません。

 また、ターミナルディスクレーマーを提出していない特許Aと、自明型重複特許の拒絶に基づき、特許Aを前提としてターミナルディスクレーマーを提出した特許Bとがあるとき、特許Aを他人に移転したときは、特許Bも併せて同一の他人に移転しなければなりません。特許Bを併せて移転しなかった場合、特許Bに基づく権利行使は不可能になります。一方、特許Aに基づく権利行使は、特許A単独で行うことが可能です。特許Bを同一の他人に移転した場合には、特許Bに基づく権利行使が可能になります。

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