【速報】米国官報(Federal Register/ Vol. 82, No. 214/ Tuesday, November 7, 2017 / Rules and Regulations)にて公表されたUSPTOの新ルールについて

 米国特許施行規則37 CFR PART 42に規則42.57が追加されました。この規則は2017127日からの施行となります。この規則では、依頼人とのコミュニケーションの相手が、USPTO patent practitionerであったり、Foreign jurisdiction patent practitionerであったりしたとしても、依頼人と米国弁護士間の秘匿特権と同等の秘匿特権を認める、とされています。

 USPTO patent practitionerとは、米国特許庁に対して手続ができる人であり、Foreign jurisdiction patent practitionerとは、当該国(外国)において特許に関する事項について法的な助言を提供できる権能を有する人であって、当該国が専門的な資格を制定しており、その人がその資格を満たす人であること、当該国が秘匿特権について法制化していなくともよい、とされています。USPTO patent practitionerForeign jurisdiction patent practitionerは、彼らの従業員や補助者とのコミュニケーションや、複数のpractitioner同士のコミュニケーションについても、秘匿特権が認められます。

 この新ルールは、米国特許庁でのディスカバリーに関する秘匿特権を定めたものです。裁判所での秘匿特権に関するルールではありませんので注意が必要です。

 米国では、ディスカバリー制度は裁判だけではなく、行政手続きにも導入されています。特許の分野では、特許庁とUSITCthe U.S. International Trade Commission)です。2011年には、米国改正特許法(Leahy-Smith American Invents ActAIA)により、従前の特許審判・インターフェアランス部の代わりに、審判部(Patent Trial and Appeal Board: PTAB)が設置されました。そして、当事者系レビュー(Inter Partes ReviewIPR)と付与後レビュー(Post Grant ReviewPGR)が、また暫定的にビジネスモデル特許レビュー(Covered Business MethodCBM)が新たに導入されました。これらの手続において、ディスカバリーが導入されています。また、審理(Administrative Law Judge:ALJ) が行われます。今回の新ルールは、この米国特許庁のPTABでのディスカバリーにおける秘匿特権に関するものです。

 米国官報によれば、

 Rule on Attorney-Client Privilege for Trials Before the Patent Trial and Appeal Board
 This final rule on attorney- client privilege amends the existing rules relating to the United States Patent and Trademark Office (Office or USPTO) trial practice for inter partes review, post-grant review, the transitional program for covered business method patents, and derivation proceedings that implemented provisions of the Leahy-Smith America Invents Act (‘‘AIA’’) providing for trials before the Office.

とあり、米国特許改正法(Leahy-Smith American Invents Act:AIA)により、当事者系レビュー(Inter Partes Review:IPR)と付与後レビュー(Post Grant Review:PGR)が、また暫定的に、ビジネスモデル特許レビュー(Covered Business Method:CBM)が新たに導入されています。本ルールは、これらのトライアルでの秘匿特権に関する既存のルールを補正するものです。

 37 CFR Part 42 は、Trial Practice Before the Patent Trial and Appeal Boardに関する規則で、英文は以下のとおりです。

42.57 Privilege for patent practitioners.

(a) Privileged communications. A communication between a client and a USPTO patent practitioner or a foreign jurisdiction patent practitioner that is reasonably necessary and incident to the scope of the practitioner’s authority shall receive the same protections of privilege under Federal law as if that communication were between a client and an attorney authorized to practice in the United States, including all limitations and exceptions.

“a USPTO patent practitioner or a foreign jurisdiction patent practitioner”についても、弁護士と依頼人との間のコミュニケーションが、連邦法において、受けられるのと同等の保護を受けることができる、と記されております。

  このルールは、特許庁でのPTABでの手続をシンプルにするために、米国内外の特許弁理士(patent agent)についても、弁護士(attorney)と同等の秘匿特権を得られるとした、との説明が官報にあり、また特許庁と裁判所とは異なる管轄を有しているので裁判所の決定は裁判所が行うことになるとの説明もあります。従って、特許庁内での手続を決めたものに過ぎず、裁判所における秘匿特権に変わりはなく、影響もないものと思われます。

お電話かメールフォームよりお問い合わせください。

03-5842-2505(電話対応時間 0:00~0:00土日・祝日を除く)

ご相談窓口